転職支援を軸に、訪問販売や教育支援、資産形成サポートまで幅広く事業を展開する株式会社I AM。設立から間もないながらも、多角的なサービスを通じて「人」に深く関わる独自のビジネスモデルを築いています。今回のインタビューでは、代表取締役の加藤寛也氏に、事業の特徴や強み、経営における価値観、そして今後の展望について伺いました。
人生の一部として価値を残す企業へ
――事業内容と企業理念について教えてください。
理念として掲げているのは、「関わるすべての方がここが正解だったと思える企業にする」というものです。設立から約2年が経ち、現在は70〜80名ほどのメンバーが在籍しています。正社員、アルバイト、業務委託とさまざまな働き方の方がいますが、その全員にとって、当社での経験が人生の一部として良いものだったと思ってもらえるような会社にしたいと考えています。
事業の中心は転職支援ですが、それに加えて訪問販売事業や、SNS・ITに関するプログラミングスクールの運営、さらに資産形成のサポートなども行っています。転職だけで終わるのではなく、その後の人生まで一貫して支援する体制を整えています。
――他社と比較した際の強みはどこにありますか。
一言で言うと「柔軟性」です。一般的な人材紹介会社は、企業へ人材を紹介して終わるケースが多いですが、当社は自社で訪問販売事業を持っているため、希望すればそのまま自社で実務経験を積むこともできます。転職するか、自社で働くかという選択肢を持てる点は、他社にはあまりない特徴だと思います。
さらに、転職後のサポートにも力を入れています。たとえば、公式LINEを通じて、確定申告の相談やセミナーを実施したり、税理士と連携してサポートを行ったりしています。業務委託の方でも、正社員に近い安心感を持って働ける環境を整えています。
現場主義を貫く経営判断
――経営において大切にしている価値観を教えてください。
一貫して大切にしているのは「現場主義」です。会社を経営していると、どうしても役職や立場が上になり、現場から離れてしまうケースもありますが、どれだけ会社が成長しても現場を理解し続けることが重要だと考えています。
実際に私自身も現場に出ることがありますし、経営だけでなく法務や数字面も含めて全体を見るようにしています。現場で結果を出すことができてこそ、組織全体にも説得力が生まれると思っています。
――御社が社会に対して果たす役割についてはどのように考えていますか。
当社は転職支援を軸とした事業を行っているため、「その人に合った選択肢を提示すること」が大きな役割だと考えています。転職は必ずしも正解ではありませんし、長く働くことが正しいとも限りません。
重要なのは、自分の人生の主導権を自分で握ることです。仕事はやらされるものではなく、自分で選び取るもの。そのために必要な情報や機会を提供し、どんな形であっても主体的に人生を歩める人を増やしていくことが、当社の使命だと思っています。
多角化と教育体制の両立という挑戦
――現在注力している取り組みについて教えてください。
最近はSNSを活用した採用や広報に力を入れています。これまであまり取り組めていなかった分野ですが、XやInstagram、今後はTikTokなども活用し、より多くの求職者にリーチしていきたいと考えています。
これまでは紹介やリファラルが中心でしたが、SNSやホームページの改善によって、問い合わせや応募も徐々に増えてきています。まだ試行段階ではありますが、確実に手応えを感じています。
――現在の課題についてもお聞かせください。
大きな課題は「中間管理職の育成」です。現状は役員とプレイヤーの間に立つ人材が不足しており、プレイヤーとして成果を出しながら、同時にマネジメントも行うポジションの育成が難しいと感じています。
自分で成果を出せることと、人に教えることは全く別のスキルです。そのため、現場に出ながら教育を行うプレイングマネージャーの育成には苦戦しています。現在は私自身も現場に戻り、直接指導するなどして改善を図っています。
組織としての持続性を見据えた成長戦略
――今後の展望について教えてください。
今後3〜5年の目標としては、組織としての基盤をより強固にしていきたいと考えています。現在は業務委託の比率も高いですが、将来的には自社で雇用できる体制を整え、固定給や退職金制度などを導入していきたいです。
営業会社や人材会社の中には、実態として個人事業主の集合体のような形もありますが、それだけでは長期的な組織にはならないと考えています。年齢を重ねても働き続けられる環境を整えることが、企業としての責任だと思っています。
そのためにも、今後は雇用の拡大と制度設計を進め、「長く働ける会社」へと進化していきたいと考えています。
メディア出演がもたらす信頼と可能性
――番組出演を通じて感じた価値について教えてください。
まず大きいのは、メディアに出ることで得られる信頼性です。採用面接や商談の場でも話題になりますし、企業としての信用度が上がったと感じています。
特に若い企業の場合、親御さんなど周囲の方からの不安を持たれることもありますが、「メディアに出ている会社」というだけで安心感につながるケースもあります。その点で非常に価値のある経験でした。
また、番組自体も日本の未来をテーマに議論する内容で、非常に有意義でした。経営者同士の視点や考え方に触れることで、自分自身の学びにもなりました。
――最後に読者へのメッセージをお願いします。
もし出演を迷っている方がいるのであれば、ぜひ一度挑戦してほしいと思います。メディアに出ることは、自分自身のためだけでなく、社員や関わる人たちのためにもなります。
特にベンチャー企業は、大企業と比較される場面が多い中で、代表者が表に出ることが大きな差別化になります。社長がどんな人なのかを伝えられるだけで、採用や営業の現場は大きく変わります。
迷っているのであれば、一歩踏み出す価値はあると思います。会社を成長させたいのであれば、その選択も経営者としての重要な判断の一つではないでしょうか。