For Japan -日本を経営せよ-

インタビュー

株式会社SGB

代表取締役社長

久保 貴史氏

「お客様の夢を応援し、共に成長する」――SGBが目指す、野球を続けやすい環境づくり

「お客様の夢を応援し、共に成長する」――SGBが目指す、野球を続けやすい環境づくり

野球用品専門店「ベースボールドリーマー」を運営し、独自の強みを持つ株式会社SGB。少子化や用具の高騰に伴う競技人口の減少など、野球界が抱える構造的な課題に向き合いながら、プレイヤーやチームを支える真摯な姿勢を貫いています。本記事では、同社の事業に対する想いや、メディア出演を通じた気づき、そして今後の展望について伺いました。

夢を追いかける立場としてプレイヤーに寄り添う

――現在の事業内容と、店舗名に込められた想いについて教えてください。 

当社は野球用品の販売を手がけており、「ベースボールドリーマー」というお店を運営しています。この店舗名をつけたときに考えたのは、私自身も野球やこの仕事を通じて夢を追いかける立場であり、現在まさに野球をやっている子どもから大人まで、大なり小なり目標や夢を持っている人たちを応援する立場でありたいということです。

同時に自分自身も一緒に成長していきたいですし、最終的には自分自身の夢も叶えたいという強い思いを込めて名付けました。明確に理念として掲げているわけではありませんが、そうした情熱を持って日々の業務に取り組んでいます。 

――仕事をする上で、ご自身が大切にされているポリシーは何でしょうか。

仕事をする上で基本的に一番大切にしているのは「押し売りは絶対にしない」ということです。お互いの需要と供給がしっかりとマッチしていなければ、仮に受注となったとしても、後から「やっぱりいいや」となってしまう可能性があります。長期的な視点で考えると、それはお客様にとっても当社にとっても良いことではありません。

例えば春先になると、軟式野球から硬式野球に転向するため硬式用のグローブを買いに来られるお客様がたくさんいらっしゃいます。しかし、まだポジションや守備位置すら決まっていないような状況であれば、「無理に今買う必要はないんじゃないですか、もう少し様子を見てからでいいと思いますよ」とお伝えします。

「今必要でないものは、今買わなくていい」というスタンスで、お客様の状況に徹底的に寄り添うことを心がけています。 

独自商材を強みに、経営者との交流から新たな気づきを得る 

――御社ならではの強みや、現在特に注力されている商材について教えてください。

当社の大きな強みとして、エアー式ピッチングマシンの「トップガン」を取り扱っている点が挙げられます。このマシンを取り扱う販売店は全国にいくつか存在しますが、私が把握している限り、自社で実機を所有し、お客様への試打や貸し出しに直接対応している販売店はほかにありません。 

この自社所有による機動性と対応力は間違いなく当社の強みであり、現在最も注力して販売を行っている商材でもあります。

――『For JAPAN』へのご出演を決めた理由と、実際の収録で得た気づきをお聞かせください。

出演を決めた大きな理由は、せっかくお声がけいただき、出演の機会をいただけるのであれば挑戦してみよう、という素直な気持ちがあったからです。 事前には、テーマが「金融戦略」という難しい内容だったこともあり、オンエアで使っていただけるような話ができるのかという不安はありました。ですが、実際に収録に参加して他の経営者の方々の話を聞くうちに、失敗しても生きていけるしどうにかなるんだなという勇気をもらいました。

また、キャリアや経験が豊富な他の経営者の方々のエピソードや話し方から、経営者としての深みがにじみ出ているのを感じられたことも大きな気づきでした。

野球界が直面する用具高騰と経済的課題

――現在、野球業界全体に対してどのような課題を感じていらっしゃいますか。

現在、野球の競技人口が減ってきている背景には少子化だけでなく、「野球はお金がかかる」という経済的な理由で子どもに野球をさせられない家庭があるという現実があります。

道具も物価高騰の波には逆らえず、私がプレイヤーだった20数年前と比較すると、物によっては2倍から3倍近くに値上がりしています。

例えば少年野球を始める場合、月々の会費に加え、ユニフォームや帽子、ズボン、スパイク、グローブなどをそろえる必要があります。さらにバットは平均5万円、高いものでは6万円ほどします。インナーやベルトなども含めれば、始めるだけで約12万円もの費用が必要です。 

しかもグローブやスパイクは2年も使えば原型をとどめないほど消耗するため、兄弟でのお下がりが難しい場合も多いです。だからこそ私たちは、お客様に「買って損した」と思わせないよう、失敗のない買い物をお手伝いする義務があると考えています。 

――その課題に対し、今後挑戦したい新しい取り組みはありますか。

地域の企業と学童野球チームを結びつけるスポンサーシップの仕組みを作りたいと考えています。人数が少ないチームは保護者から集める会費も少なく、用具の新調や大会の登録料などの資金繰りに苦しんでいます。そこで、子育て世代の親御さんや子どもたちとの接点が多い自転車屋さんなど、野球や子育て世代とシナジーを生む企業をリストアップし、チームのスポンサーになっていただく橋渡しができないかと模索しています。

地域の企業から支援を受けることで保護者の金銭的負担が減り、チーム運営が安定し、活動がより充実すれば、そこに子どもたちが集まるという良い循環も生まれるはずです。 双方にしっかりとしたメリットがある形を構築し、子どもたちが野球を続けやすい環境を整えていきたいです。

野球の悩みを解決する拠点をつくり、業界に新しい選択肢を 

――将来的にどのような会社を目指し、社会にどのような価値を提供したいですか。

将来的な目標として、バッティングセンター、野球用品店、室内練習場の3つがひとつに合わさった複合施設を作りたいと考えています。そこに行けば野球に関する悩みやニーズの9割9分が解決するような、プレイヤーにとって最高の拠点を目指しています。

また、当社の強みであるエアー式ピッチングマシン「トップガン」が、世の中で当たり前に使われる存在になるまで普及させたいです。

野球界は良くも悪くも歴史と伝統を重んじる文化が強く、その一方で、新しいものを受け入れることに慎重な側面もあると感じています。しかし、良いものは良いと素直に認め合えるような柔軟な社会や業界に変えていきたいですし、そのための価値を提供し続けていきたいです。

――最後に、記事をご覧の読者やご出演を検討されている方へメッセージをお願いします。

もし『For JAPAN』に出演されるのであれば、今まで生きてきた中で一番面白い「鉄板ネタ」を用意して臨むことをおすすめします。私自身、出演を経験して、事前にしっかりと準備しておくことの大切さを実感しました。

また、当社としては、これからもメーカーや看板といった既存の枠組みだけにとらわれず、「良いものは良い」と言える姿勢を大切にしていきます。プレイヤーの皆様にとって本当に価値のある用具や環境を届けながら、野球を続けやすい未来につなげていきたいです。

出演回:シーズン4 第10回(2026年6月12日)

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