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コラム

経営者の相談相手は誰が正解?悩み別の選び方・公的窓口と費用を徹底比較

経営者の相談相手は誰が正解?悩み別の選び方・公的窓口と費用を徹底比較

「資金繰りの不安を誰に打ち明ければいいのか」

「採用や組織の悩みは、税理士に聞いても答えが出ない」

経営者は日々多くの判断を迫られますが、その悩みを気軽に相談できる相手がいないと感じている方は少なくありません。

中小企業庁の白書でも、従業員のいない事業者の約4〜5割が日常の相談相手を持っていないことが明らかになっています。一方で、相談相手を持つ企業ほど業績が伸びている傾向も示されています。

この記事では、経営者の主な相談相手の特徴と費用を比較したうえで、悩み別の最適な相談先、無料で使える公的窓口、相談相手を選ぶ際の注意点までを分かりやすく解説します。一人で抱え込みがちな経営の悩みを解決するヒントとしてお役立てください。

目次

経営者の相談相手一覧!費用と特徴の比較

経営者の相談相手には、大きく分けて5つの選択肢があります。それぞれ得意な領域や費用感が異なるため、まずは全体像を把握しましょう。

相談相手主な相談内容費用感メリットデメリット・注意点
①税理士・公認会計士財務、税務、資金繰り月額顧問料(1万〜5万円等)自社の財務状況を最も把握している経営戦略や労務・採用など税務以外の相談は専門外の場合が多い
②経営コンサルタント経営戦略、売上拡大、業務改善月額数万〜数十万円以上専門知識や他社での成功ノウハウがある費用が高額になりやすく、担当者の相性や手腕に依存する
③エグゼクティブコーチ意思決定、メンタル、思考整理月額数万〜十数万円思考が整理され、経営者自身の行動力が上がる具体的な「業務の答えや施策」を教えてくれるわけではない
④経営者仲間・顧問組織作り、経営判断、実情相談無償〜顧問料経営者特有の視点や実体験に基づくアドバイス機密情報の扱いに注意が必要。利害関係で本音を話せない場合も
⑤公的窓口創業、組織改善、売上拡大など総合原則無料国や自治体の事業で信頼性が高く無料窓口によって対応速度や担当者の専門性にばらつきがある

※費用は一般的な目安です。契約内容や依頼先によって異なります。

①税理士・公認会計士

日頃から帳簿や決算書に触れているため、自社の数字を最もよく知る存在です。資金繰りや節税の相談には最適ですが、採用や組織づくりといったテーマは専門外であることが多いです。

②経営コンサルタント

戦略立案や業務改善のプロです。他社での支援実績に基づくノウハウを得られる反面、費用は高くなりがちで、成果が担当の力量に左右される点には注意が必要です。

③エグゼクティブコーチ

答えを教えるのではなく、対話を通じて経営者自身の答えを引き出す存在です。意思決定に迷っているときや、頭の中を整理したいときに向いています。

④経営者仲間・顧問

同じ立場で悩んできた人ならではの実践的なアドバイスが魅力です。ただし、取引関係や競合関係がある相手には話せる範囲が限られます。

⑤公的窓口

無料で何度でも相談できるのが最大のメリットです。まずは気軽に相談してみたいという経営者にとって、心強い選択肢となります。

悩み別|誰に相談すべきか対応表

ここでは、経営者の悩みTOP10について、最適な相談相手とその理由を整理しました。自社の状況に近いものを探してみてください。

経営者の悩みTOP10最適な相談相手・相談先理由・ポイント
1位:売上が安定しないよろず支援拠点、経営コンサル、経営者仲間単発の販売ではなく、継続的な売上構造や顧客基盤を作るための外部視点が必要
2位:採用できない商工会議所、人事コンサル、同じ規模の経営者大手と同じ手法では勝てないため、自社の魅力を引き出すブランディングや地域の労働動向の把握が必要
3位:人材が定着しないエグゼクティブコーチ、人事専門家評価制度の見直しだけでなく、経営陣と現場の熱量のギャップや組織体制の根本改善が必要
4位:資金繰り・キャッシュフローが不安税理士、商工会議所(マル経等)、金融機関正確な資金繰り表の作成と、早めの融資・資金調達スキームの選定が不可欠
5位:コスト削減が進まない税理士、公認会計士、経営コンサル勘や経験ではなく、財務データに基づいた固定費・変動費の精査と見直しを行う
6位:DX・生産性が上がらない中小機構、ITコーディネータ単なるITツール導入に終わらせず、現場の業務フローに定着させるための専門的アドバイスが必要
7位:マーケティングが弱い経営コンサル、よろず支援拠点、Webマーケティング専門家社長や一部営業の個人技に頼らず、仕組みとして集客が回るプロセスを構築する
8位:新規事業が作れない経営コンサル、志を同じくする経営者仲間自社の既存アセットの再定義と、他社事例や共創から新たな事業機会を生み出す
9位:組織文化・コミュニケーションが難しいエグゼクティブコーチ、人事専門家社長自身の対話力向上や、理念を現場に浸透させるインナーブランディングが必要
10位:事業承継・経営者の孤独中小機構(事業承継・引継ぎ支援センター)、経営者コミュニティ法的な引き継ぎ手続きと同時に、同じ目線で本音を語り合える経営者ネットワークが不可欠

表を見るとわかるように、ひとつの悩みに対して最適な相談先はひとつとは限りません。財務や手続きのように「専門知識」が必要な悩みは士業や公的窓口へ、組織や意思決定のように「視点や気づき」が必要な悩みはコーチや経営者仲間へ、というように使い分けるのがポイントです。

それぞれの悩みがなぜ起きるのか、どの順番で手をつけるべきかについては、
経営者の悩みランキングTOP10|”優先順位”が見える経営課題マップで詳しく解説しています。
自社の課題がどこにあるかを整理してから相談先を選ぶと、初回の相談で得られるものが大きく変わります。

無料で利用できる公的窓口3選

「いきなり有料の専門家に依頼するのは不安」という方は、まずは無料で相談できる公的窓口を活用しましょう。ここでは代表的な3つの窓口を紹介します。

よろず支援拠点

  • 対象:中小企業・小規模事業者・NPO法人・創業希望者など
  • 費用:何度でも無料
  • 特徴:国が全国47都道府県に設置している無料の経営相談所です。売上拡大や資金繰り、IT化など、経営上のあらゆる悩みに多様な分野の専門家が対応します。

どこに相談すればよいかわからない段階でも、まず話を聞いてもらえる「総合窓口」として活用しやすいのが特徴です。悩みの内容に応じて、適切な支援機関につないでもらえる場合もあります。

商工会議所・商工会

  • 対象:地域の事業者・小規模事業者
  • 費用:原則無料
  • 特徴:地域に密着した経営指導員が、経営相談を親身にサポートします。無担保・無保証人で利用できる日本政策金融公庫の「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」の推薦や、補助金申請の支援、地域内での取引先紹介などに強みがあります。

地元の事業者同士のつながりが得られるのも、商工会議所・商工会ならではのメリットです

中小企業基盤整備機構

  • 対象:全国の中小企業・小規模事業者
  • 費用:原則無料
  • 特徴:国の中小企業政策を実行する独立行政法人です。経営相談のほか、事業承継、IT化・DX、ファンドを通じた出資など、高度で幅広い支援メニューをそろえています。

事業承継については、各都道府県に設置された「事業承継・引継ぎ支援センター」で、後継者探しや第三者への引き継ぎについての相談も可能です。

経営者の日常の相談相手と実態

ここからは、中小企業庁の「2020年版 小規模企業白書」のデータをもとに、経営者の相談相手の実態を見ていきます。

従業員のいない事業者は、約4〜5割が日常の相談相手を持たない

白書によると、従業員のいない事業者では、製造業で約5割、非製造業で約4割が日常の相談相手を持っていないことがわかっています。

経営者が頼りにしている相談相手ランキング上位

では、相談相手がいる経営者は、実際に誰を頼りにしているのでしょうか。白書のデータから、上位の相談相手は次のとおりです。

1位. 税理士・公認会計士:企業規模を問わず最も多い

2位. 同業種の経営者仲間:小規模事業者で2番目に多い

3位. 経営陣・従業員:企業規模が大きくなるにつれて割合が増加

身近な士業や同業の仲間が主な相談先になっている一方で、税理士・公認会計士の専門は財務・税務です。経営戦略や組織の課題といった「専門領域外の悩み」までは、十分にカバーしきれていない可能性があります。

相談相手がいない最大の理由は「適切なつながりがないから」

相談相手がいない経営者に理由を尋ねたところ、「適切な相談相手とのつながりがないから」という回答が約7割と圧倒的に多い結果となりました。

相談相手がいる企業ほど「業績増加」や「経営計画の運用」に好影響

白書では、いずれの企業規模においても、日常の相談相手を持つ企業のほうが、経営利益の傾向について「大幅増加」または「増加」と回答する割合が高いことが示されています。

また、自社の現状把握や経営計画の策定・運用を「十分にできている」と評価している経営者ほど、日常の相談相手を持っている傾向も見られます。

客観的な視点をくれる相談相手の存在は、単なる精神的な安心感にとどまりません。事業の現状を正しく把握し、事業を向上させることにもつながっているといえるでしょう。

経営者の相談相手を選ぶ際の3つの注意点

相談相手は誰でもよいわけではありません。相談の効果を高めるために、3つのポイントに注意してください。

①専門領域と悩みがズレていないか確認する

資金繰りの悩みを労務の専門家に相談しても、根本的な解決にはつながりません。相談する前に、相手の専門分野や得意領域を確認し、自社の悩みと合っているかを見極めましょう。

前述の対応表を参考に、悩みの種類ごとに相談先を使い分けることが大切です。

②アドバイスの鵜呑みによる失敗

専門家や経験豊富な経営者の意見であっても、それが自社にそのまま当てはまるとは限りません。支援者の意見をそのまま受け入れるのではなく、自社の状況に照らして判断しましょう。

最終的な決定権と責任は常に経営者自身にあります。アドバイスはあくまで判断材料のひとつとして活用することが重要です。

③自社の機密情報・競合情報の取り扱いに注意する

経営の相談では、財務状況や取引先、新規事業の構想など、社外秘の情報を話す場面も少なくありません。特に経営者仲間や外部コンサルタントに相談する際は、必要に応じて秘密保持契約(NDA)を結ぶなど、情報漏えい対策を徹底しましょう。

相談すべきタイミング

相談は、問題が深刻になってからでは手遅れになりがちです。資金繰りが行き詰まってからでは、取れる選択肢が限られてしまいます。

売上や利益の数字、現場の雰囲気などに少しでも違和感を覚えた段階や、設備投資・新規事業・採用など大きな意思決定をする直前こそ、相談に適したタイミングです。早めに外部の視点を取り入れることで、打てる手が広がります。

専門家に相談する以外に「同じ立場の経営者」とつながる選択肢

士業やコンサルタント、公的窓口はそれぞれ心強い相談先ですが、それだけでは埋まらない悩みもあります。ここでは、同じ立場の経営者とつながることの価値について解説します。

専門家への相談だけでは埋まらない、経営者ならではの壁

税理士や公的機関は、正しい知識や手続きを教えてくれます。しかし、「この決断に踏み切るべきか」「社員にどう覚悟を伝えるか」といった、経営者としての覚悟やリアルな実情にまでは踏み込めないことがあります。

最終的な責任を一人で負う経営者の重圧は、同じ立場を経験した人でなければ本当の意味で理解しにくいものです。

データで見る|相談相手がいる経営者は、経営者コミュニティに参加している

中小企業庁「2020年版 小規模企業白書」第3-2-59図では、日常の相談相手がいる経営者のうち62.4%が経営者コミュニティに主体的に参加している一方、相談相手がいない経営者では36.2%にとどまっています。

つまり、相談相手を持てている経営者ほど、経営者が集まる場に自ら足を運んでいる傾向があるのです。白書でも、「経営者が積極的にこうしたイベントに参画することを通じて、自社の経営課題の解決につながるヒントや、ビジネスの拡大につながる機会が得られたとの声も多い」と述べられています。

ここからいえるのは、相談相手は待っていて現れるものではなく、経営者が集まる場に自ら入ることで得られているということです。前述で見た「相談相手がいない理由の約7割がつながりがないから」というデータをあわせて考えると、つながりをつくる行動そのものが、相談相手がいないという悩みの解決策になるといえます。

同じ志を持つ経営者とのネットワークがもたらす価値

業界や地域を超えた経営者同士で意見交換すると、自社の業界の常識にとらわれないアイディアが生まれます。異業種の成功事例が、自社の課題を解決するヒントになることも少なくありません。

また、互いの強みを持ち寄ったコラボレーションや新たな取引が生まれるなど、相談の場がそのままビジネスチャンスにつながることもあります。

BSフジ放送の経営者ビジネス番組「For JAPAN」が提供する経営者コミュニティ

For JAPANは、古舘伊知郎氏がMCを務める、BSフジで放送されている経済ビジネス番組です。「日本という大きな会社を経営する」という視点から、全国の経営者が日本の未来について本音で議論しています。

番組への参画を通じて、日本の未来を良くしたいという熱い想いを持った全国の経営者とつながることができます。

実際に番組では、経営者たちが自らの失敗や挫折についても包み隠さず語っています。
「失敗・挫折との向き合い方」をテーマにした回では、一流と呼ばれる経営者たちが、過去にどう壁にぶつかり、どう立ち上がってきたのかを本音で話しました。
本音を打ち明け合える場がどのようなものか、ぜひご覧ください。

まとめ:自社の悩みに合わせた最適な相談先を選択

まずは自社の悩みの整理と無料の公的窓口・専門家の活用から

経営者の相談相手選びで大切なのは、まず自社の課題を整理することです。その悩みが財務や手続きのような「専門知識」を必要とするものか、組織作りや意思決定のような「視点や気づき」を必要とするものかによって、最適な相談先は変わります。

何から手をつければよいかわからない場合は、よろず支援拠点や商工会議所などの無料の公的窓口から相談を始めてみましょう。そのうえで、必要に応じて税理士やコンサルタントなどの専門家を活用するのがおすすめです。

質の高い経営者ネットワークで、経営の視点を広げませんか?

白書のデータが示すように、相談相手を持つ経営者ほど、経営者が集まる場に自ら参加しています。孤独な経営判断を一人で抱え込まず、刺激し合える仲間とつながることが、経営の視点を広げる第一歩です。

同じ志を持つ全国の経営者とつながる選択肢として、ぜひFor JAPANへの参画をご検討ください。番組参画に関するご相談は無料で承っています。