医療法人社団 博豊会の理事長 森 俊一が伝えたい思い「高齢化による医療資源の不足は必然。時代に即した環境を整えて、これからの医療を作っていく」

Interview

“日本の未来を創る本質的な気づきを”をテーマに発信しているFor JAPANプロジェクト。
代表インタビューを通して、テレビやYouTubeでは紹介し切れないお話を深掘りしていきます。
今回は、医療法人社団 博豊会の森 俊一理事長にインタビューしました。

高齢化による医療資源の不足は必然。時代に即した環境を整えて、これからの医療を作っていく

人口のアンバランスが生む、医療業界の急激な危機

現在日本の医療業界が抱える課題として中心にあるのは、人口バランスの問題です。2008年をピークに、日本の人口は減り続けています。

医療の視点で見ると、高齢の方が占める割合が増えることで、治療が必要になる患者さんも増加しています。特に団塊の世代が後期高齢者になる2023年前後を境目に、医療ニーズは爆発的に高まると見られています。

しかし、医師や看護師といった受け手になる人材は急に増やせるものではありません。このままでは、受け手が不足していくのは確実です。

さらに細かく見ていくと、地方と都市部の医療格差問題、医療分野に対する人気・不人気の問題があります。若いドクターたちが後進となる子どもを育てていこうと思うと、やはり東京に住んで、東京の学校に通わせることを希望します。その子どもたちが大学で地方に出たとしても、やはり東京に戻ってきてしまいます。

同じようなことは東京以外の都市でも起こっているのではないでしょうか。地方と都市部の医療格差は広がるばかりです。

医療分野の人気・不人気は昔からありますが、以前は困っている人を助けたい医師の気持ちを前提として、比較的バランスの取れた医療の仕組みが作られてきました。

しかし今では辛くて見返りの少ない診療科には、新しいドクターがほとんど入ってこない状況です。2024年からの医師の働き方改革が進めば、この流れはますます強くなるでしょう。

特に、お子さんを扱う小児科や人生の始まりに関係する産科は人手が足りていません。元々非常に神経を使う分野ですが、どうしても医療訴訟になりがちなので、成り手はほとんどいないでしょう。そのため、国がもっと力を入れてドクターを育てるべき分野だと思います。

体力の面で言うならば、救急の分野も厳しい状態です。夜中まで手術をする必要があり、救急にかかる患者さんは脳血管発作など時間との勝負になります。

かつては夢ややりがいを重視してこの職に取り組まれてきた方がたくさんいらっしゃいましたが、その世代も今はもういい歳で、気持ちに対して身体がついていかなくなってしまうこともあるでしょう。若手とベテランで感じ方は違いますが、どちらも医師の仕事が重労働となってしまって、ミスマッチが生まれてきていると感じます。

最新のIT技術と業務範囲の最適化で改善を

これらの問題をカバーするための方法として、技術面と制度面、それぞれできることがあると思います。現場レベルでできる方法としては、ITの活用が考えられます。

未だに紙カルテを使っている病院もあると聞きます。非効率極まりない上に、IT化が基本となった現在では事務に多大・過大な負担をかけてしまいます。

個人的には、画像診断のAI化に期待しています。病気の診断の精度を上げる可能性が期待でき、素晴らしいの一言です。

制度面としては、働き方改革の中でも検討されている業務範囲の緩和を考えています。例えば医療秘書など、医師が本来の業務に専念できる環境作りを進めるべきだと思います。

海外ではオペレーションナースという専門資格を持つ看護師が手術後の縫合などを行います。医師でなくてもできることや、医師免許がないと許されなかった部分を分けていくことが必要です。 優秀な人は医師に限らずたくさんいるので、ライセンスの有無で縛るのは時代遅れでしょう。一方で患者さんへの安全性を担保していくことも欠かせません。そのためには、単純な緩和ではなく、皆に認められる制度として整える必要があると思います。

「今」の働き手に最適な環境と働き続けるための支援が必要

私自身は、医師として仕事に励むことを「労働」とは言いたくありません。しかしこれは私が持つ昭和の価値観であって、30代以下の人たちにとっては「労働」なんですよね。価値観は変化して当然ですし、彼らの考え方もよく分かります。

これからの医療現場は仕事と休みを明確に分けて、自分の時間を家族と過ごせる仕組み作りを重視すべきでしょう。当院でも外来の終了時間を早めて、帰宅時間を早められるようにしました。環境を整えることでいい人材が集まってくれば、人手不足に対抗できるプラスのスパイラルを生み出せるでしょう。

良い人材が集まれば、次には彼らが活躍していくための環境作りや育成が大事になってきます。学びながら実践していく場としてフェローシップ制度もありますが、結局は自分自身で切磋琢磨していくことに尽きるのではないでしょうか。

現場に立てば、課題は次々に生まれてきます。一つのことを満点と言えるレベルでこなしても、ペーパーテストのように「やったから終わり」では社会人と言えません。延々と続く波をこなしていけるような気持ちの柔軟さ、強靭さを企業文化を通して伝えていきたいです。

会社概要

法人名:医療法人社団 博豊会(博豊会 東京脊椎病院、八王子脊椎外科クリニック)
代表者名:森 俊一
企業ホームページ:https://tokyo-spine.jp/
所在地:東京都足立区一ツ家1-1-1
事業内容:脊椎疾患の外来、手術

For JAPANプロジェクトとは

For JAPANプロジェクトとは、10年後20年後の日本の未来の担い手である20代にむけて、日本の未来を創る”本質的な気づき”を。をテーマに様々なコンテンツを通し情報発信を行っています。 参画された【50人の社長】というレンズを通して、経験に基づく本質的な考え方や情報を学び、動き出すきっかけを与え”日本の未来を創るプロジェクト”全国放送『For JAPAN ‐日本の未来がココに‐』(BS11)や、YouTubeチャンネル『For JAPAN ‐日本の未来がココに‐』など様々なコンテンツで社長たちが徹底討論。

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