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株式会社FLIGHT TIMEの代表取締役 谷口 一貴が伝えたい思い「今こそ航空業界に新しい風を パイロット不足から浮き彫りになる現状」

Interview

“日本の未来を創る本質的な気づきを”をテーマに発信しているFor JAPANプロジェクト。
代表インタビューを通して、テレビやYouTubeでは紹介し切れないお話を深掘りしていきます。
今回は、株式会社FLIGHT TIMEの谷口 一貴代表取締役にインタビューしました。

今こそ航空業界に新しい風を パイロット不足から浮き彫りになる現状

コロナ禍により世界中でパイロット不足が深刻に

日本のパイロット人口を支える団塊の世代が、2030年前後に大勢リタイアすることにより、日本ではパイロット不足になることが判明しています。現状でも決して足りていると言えない状況である上に、さらに不足が進んでしまうのです。

日本でのパイロット不足は慢性的ですが、最近では日本のみならず世界でもパイロット不足が問題になっています。その理由はコロナ禍によって、多くの航空会社が飛行機を飛ばせずにかなりの数のパイロットを解雇したからです。

もちろん、パイロットは解雇されたからと言って資格を失うわけではありませんが、飛行機に乗っていないと腕が落ちてしまいます。そのため、再びパイロットを増やそうとしても、再度訓練をする必要があり、解雇したパイロットがフライトに復帰するには相当の時間がかかります。

こうした理由から、世界中でパイロット不足となっているわけです。

パイロット不足が及ぼす影響

パイロット不足は様々な分野に影響を及ぼします。私たちは普段から旅行やビジネスで世界中を飛び回り、物品の運送も飛行機で頻繁におこなっています。

しかし、パイロットの不足により便が欠航するなど、すでに影響が出始めており、今後ますます増えてくるでしょう。そうなれば、例えばビジネスマンは商談や営業の重要な機会を失ったり、最悪の場合は仕事を失ったりしてしまうかもしれません。

さらに現代では多くの物品を飛行機で運送していますが、貨物便も減ってしまえば、物流が滞るケースも考えられるでしょう。そして僻地に物資を運んだり、急患を移送したりするにもパイロットがいなければ実施できません。つまり、パイロット不足が及ぼす影響は計り知れず、深刻な問題として捉える必要があるのです。

日本における慢性的なパイロット不足の理由

冒頭で日本のパイロットは慢性的に不足している、というお話をしました。その理由のひとつとして、バブル経済崩壊後に各航空会社がパイロットの採用を減らしてしまったことが挙げられます。それにより倍率は100倍以上になってしまい、今ではあまりに狭き門となって目指す人が減ってしまっているのが現状です。

また、パイロットになるために学ぶ費用が高額であることも挙げられます。公立である航空大学校でさえ、学費には合計500万円はかかります。さらに私立大学ともなれば、3,000万円前後かかります。このように、パイロットになりたくても金銭を理由に諦めざるを得ない人が多くいるわけです。

パイロットが不足している理由がわかっていても、現状を変えられないのには、もうひとつ理由があります。それは、パイロットを育成する教官の不足です。日本においては、若い教官が非常に少ないのが現状です。なぜかと言うと、日本の航空業界では経験が重要とされており、ある程度の飛行時間と経験を持つ人が教官になるのが良しとされているため、教官は年配の方ばかりになっています。

パイロットになりたい人がいるにも関わらず目指しにくい環境、パイロットを育てる教官の不足、かつ航空業界に年配の方が多いことからアナログにこだわり、新しいやり方を取り入れることに躊躇しがちである等の要因から、日本では慢性的にパイロットが不足しているのです。

パイロット不足解消のため、航空業界に新しい風を

パイロットになるためには多額の費用がかかりますが、海外で訓練を受けて免許を取得する「パイロット留学」を選択すれば費用面でのハードルがかなり低くなります。これまでの日本の航空業界では「パイロット留学」を選択する人は多くありませんでしたが、2030年前後に大量のパイロットの退職者が出るとわかっている今、海外で免許を取得して帰国したパイロットを採用する動きは広まっており、日本国内で訓練した人を優先的に採用する時代は幕を閉じようとしています。

また日本の航空会社では、パイロットとして入社しても実際にフライトを担当するまでには5年以上かかり、それまでにはペーパーワークや地上勤務などの業務を課せられます。このような日本特有のパイロットのキャリア形成そのものを見直していくことも、パイロット不足を解消する鍵となるでしょう。

日本のように段階を踏んでパイロット業務に就くことを否定するわけではありませんが、海外の航空業界にも目を向けてできることから取り入れていく必要があると考えています。例えば、海外では女性パイロットの採用に積極的に取り組む航空会社が増えています。一方日本では、女性パイロットが誕生するとニュースとして大々的に取り上げるなど、今もなお「珍しいこと」として扱われます。

このような現状から脱却していかなければ、日本の航空業界は壊滅的な状況を迎えるでしょう。今こそこれまでの伝統にしがみつかず、新しい風を取り入れていく必要があると強く感じています。

会社概要

法人名:株式会社FLIGHT TIME
代表者名:谷口 一貴
企業ホームページ:https://flight-time.jp/
所在地:東京都港区浜松町1-27-12 RBM浜松町ビル5階
事業内容:パイロット育成、パイロット留学支援、国内外操縦訓練、航空機販売、航空機輸入販売、航空機整備及び部品販売、航空整備士育成、語学留学支援、航空アプリ開発、航空システム開発

For JAPANプロジェクトとは

For JAPANプロジェクトとは、10年後20年後の日本の未来の担い手である20代にむけて、日本の未来を創る”本質的な気づき”を。をテーマに様々なコンテンツを通し情報発信を行っています。 参画された【50人の社長】というレンズを通して、経験に基づく本質的な考え方や情報を学び、動き出すきっかけを与え”日本の未来を創るプロジェクト”全国放送『For JAPAN ‐日本の未来がココに‐』(BS11)や、YouTubeチャンネル『For JAPAN ‐日本の未来がココに‐』など様々なコンテンツで社長たちが徹底討論。

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