For JAPAN

One Step Beyond株式会社の代表取締役 水谷 弘隆が伝えたい思い「いっぱい失敗も挫折もあっていい 何事も無駄はない」

Interview

“日本の未来を創る本質的な気づきを”をテーマに発信しているFor JAPANプロジェクト。
代表インタビューを通して、テレビやYouTubeでは紹介し切れないお話を深掘りしていきます。
今回は、One Step Beyond株式会社の水谷 弘隆代表取締役にインタビューしました。

いっぱい失敗も挫折もあっていい 何事も無駄はない

与えられた仕事の中で成長を求める

大学卒業後に旭化成株式会社に入社し、住宅事業の業務を担当しました。私が入社した頃は終身雇用・年功序列が当たり前の時代です。

20代の頃はキャリアアップという意識はなく、会社や上司から与えられた仕事の中でどう成長できるかという時代でした。

仕事終わりには麻雀したり上司に引っ張られて飲みに行ったり、休みの日もだらだらしていました。これでいいのかと悶々としつつも、あまり勉強せずに過ごしていました。

キャリアアップは自分で作るもの 「差別性」を求めて猛勉強

30代になって、キャリアアップは自分で作るものという意識が出てきました。変わるきっかけの一つは、28歳のときに父親が事業に失敗して逃げてしまったことです。そのことで「しっかりしなきゃいけない」と覚醒しました。

また、非常に仕事ができる課長の下で働いたことも転機となりました。厳しかったですが、毎回言われたことをクリアしていくと評価が上がっていきました。

このときから「あの上司にどうやったら勝てるか」と考えるようになりました。そうして、大きな組織の中では差別性を出さなければいけないと思い、勉強を始めたんです。

まず英語力が求められる時代が来ると思い、TOEICを2年間本気で勉強しました。苦労の末点数が850点まで伸び、次に国家資格に挑戦。何を取ろうか迷いましたが、幅広く経営を学べる中小企業診断士の資格を取得しました。さらに念願だった海外留学を社内制度への応募でチャンスをつかみ、37歳になって家族連れでのイギリスMBA留学を実現しました。

仕事は求められている以上のことをやってこそ評価されます。そのため、その時のポジションを超える視点で考え、自分から会社への提案を増やさなければならないと思っていました。

家庭を持ち安心して動けるように 挑戦の姿勢が本の執筆へ

30歳で結婚し、子どもが生まれたことも変わるきっかけでした。家庭を持ったことで自分に基盤ができ、安心して動けるようになりました。気持ちが安定しているからこそ、いろんなことに挑戦できるようになりました。

この姿勢が、英語、国家資格、留学、転職、さらに「33歳からの勉強のルール」という本を書くことにつながります。私はもともと出版への憧れがあり、出版業界の人が集まるパーティーに出席した際、自分のプロフィールを名刺と一緒に渡していました。すると出版社の方から連絡がきて、本を書くことになりました。チャンスは準備をして行動しないと気付くことができないしつかめないものだと実感した経験です。

留学から帰国後 自分の可能性探り転職へ

当初は留学から職場に戻り、留学の成果を活かして同じ職場で頑張ろうと思っていましたが、帰国後はいろいろなことに興味を持つようになっていたんです。

「もっと他に自分の可能性があるのだろうか」と思い、匿名の転職サイトにプロフィールを上げるとヘッドハンターが殺到しました。ある外資系企業から面接を受けてくれと言われて、試しに受けたら内定が出てしまい、悩んだ末に思い切って転職しました。

外資系企業で転職を繰り返し挫折も経験

40歳で初めて転職して、「働く場所が自分で選べる」ことがわかりました。ただし、外資系企業で転職を繰り返して年収が上がるという実力主義的な側面があったため、挫折も経験しました。

最後は非常に年収の高い会社でしたが、身も蓋もない実力主義で、最終的にその職場ではいらない側の人間にされてしまいました。

でも、外資系を転々としていろんな働き方や会社を経験したことは、今に活かせているので無駄ではなかったと思っています。どんなことでも、立ち直ってしまえば無駄ではありません。

自分で仕事を作る=自分の人生を作る

47歳のときに独立を決意しました。私は本を書いたことで、さまざまな経営者の方や著者の方とお付き合いをしていました。その中で、独立できるかもしれないという意識が芽生えていました。半年くらい迷った後、独立してやっていこうと決めました。

47歳からこれまでの仕事観は、サラリーマンのときとは全く違います。自分の商品が何か、それをどう売るか、自分で考えて稼がなきゃいけないので、「自分で仕事を作る=自分で人生を作る」という感覚に変わりました。

いっぱい失敗も挫折もあっていい だけど損得勘定は考えない

数え切れないほど失敗や挫折を経験しましたが、失敗も挫折もあっていいんです。その経験を利用するぐらいの気持ちでやり直せばいいと思います。だから、一回の失敗で自分を低く評価する必要は全くありません。

ただし、あいつはうまくいって自分は損しているというような、目先の損得勘定は考えない方がいいでしょう。特に若い頃は立場上、与えられた仕事をこなすだけのことがあります。そのときには、言われたことの1割増しを心掛けることをおすすめします。1.1の仕事をずっと掛け続けると、すごいことになるでしょう。

安定は自分の中に作る

キャリアでは「安定できるかできないか」という話があって、安定志向だと公務員や正社員になりたい、大きい会社に入りたい、ブランド企業に入りたいと考える傾向があります。

しかし、組織の安定性は自身の幸せとあまり関係ないと思います。なぜなら希望する組織に入れても、その後はどうなるかわからないからです。組織は運営のために人を切るかもしれません。そこで大事なのが、どんな状況でもやっていける安定を自分の中に作ることです。安定は自分で作ると思えば、どんな立場でもやれることがあります。

ダメな自分もひとつの人生経験 何事も無駄はない

30代の頃は、20代を振り返って無駄に過ごしてしまったと思っていました。しかし独立した50代となっては、若いうちにそういう過ごし方ができて良かったと思います。

なぜなら、ダメダメの自分という人生経験ができたからです。最初からまっしぐらに自己啓発していても、つまらなかったと思います。だから今はすごい回り道をして良かったと思えます。そのため、若い方には「何事も無駄はない」と伝えたいです。

たとえば社員と接するときには、相手の言動を認めたうえで、「もっとこうしたらいいんじゃない?」というアドバイスをするようにしています。特に我々のような製造業には、自分の仕事に集中する職人気質の社員が多く、「自分はこうした方がやりやすい」というような独自のやり方も生まれてきます。一方で会社としての方針もありますので、本人の意見を尊重しながら自分の意見を伝えるようにしています。 自分の気持ちを分かってもらうには、まず人の気持ちを理解することが大事です。これは若手であっても経営者であっても、共通して言えることです。双方の考えや思いによく耳を傾けることが大切でしょう。そして他人の考えを受け入れるには、繰り返しにはなりますが、日頃からさまざまな考えに触れる必要があります。私自身も相手を理解し、共に考える努力をしていきたいと思います。

会社概要

法人名:One Step Beyond株式会社
代表者名:水谷 弘隆
企業ホームページ:https://onestepbeyond.co.jp/
所在地:東京都中央区日本橋堀留町1-10-1 カクタビル2F シェア・プランニング内
事業内容:中小企業向け経営コンサルティング、 地方創生

For JAPANプロジェクトとは

For JAPANプロジェクトとは、10年後20年後の日本の未来の担い手である20代にむけて、日本の未来を創る”本質的な気づき”を。をテーマに様々なコンテンツを通し情報発信を行っています。 参画された【50人の社長】というレンズを通して、経験に基づく本質的な考え方や情報を学び、動き出すきっかけを与え”日本の未来を創るプロジェクト”全国放送『For JAPAN ‐日本の未来がココに‐』(BS11)や、YouTubeチャンネル『For JAPAN ‐日本の未来がココに‐』など様々なコンテンツで社長たちが徹底討論。

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