For JAPAN

【第2弾】大阪ラセン管工業株式会社の代表取締役社長 小泉 星児が伝えたい考え「いい意味で『あいまいな日本』を取り戻したい」

Interview

“日本の未来を創る本質的な気づきを”をテーマに発信しているFor JAPANプロジェクト。
代表インタビューを通して、テレビやYouTubeでは紹介し切れないお話を深掘りしていきます。
今回は、大阪ラセン管工業株式会社の小泉 星児代表取締役社長にインタビューしました。

「いい意味で『あいまいな日本』を取り戻したい」

地方の中小企業・小規模事業者に元気がない

就職先として、地方の中小・小規模事業者が選ばれにくいと感じています。東京、名古屋、大阪などといった大都市圏にある大企業にばかり、求職者の目が向いてしまっています。大都市圏に仕事や人が集中してしまうと、地方の中小・小規模事業者で働く人がいなくなり、事業が途絶え、仕事がどんどんなくなってしまいます。そうすると、住んでいる人たちが不便になり、都市へ出ていき、悪循環に陥ってしまうのです。

私が過去に会長を勤めた兵庫県商工会青年部連合会をはじめ、全国の商工会青年部でも、事業承継すらままならないという状況をよく見聞きします。地元から企業や事業所がなくなってしまうのは、寂しいことです。

そもそも、中小・小規模事業者はマンパワーもマネーパワーも充分ではない事が多いので、仕事が手に入りにくく、マーケットが小さくなっています。お金がかかるので、広告を出すこともできません。SNSで仕掛けをしてバズればいいですが、簡単なことではありませんよね。商工会のような経済団体の単位で企業説明会を実施したり、国主導の補助金を拡充したりするなど、支援を広げていく必要があると思います。全国の商工会でも、ビジネスマッチングを考えたり、融資を受けやすくするための支援をしたりしています。

将来的な苦労を見据え、今のうちから就労環境の改善に着手

弊社は静岡県に工場を持っていますが、人口減少も進んでいますので、今後、求人に苦労することを見据えて、対策をしていかないといけないと思っています。駅から徒歩三分程度と、立地に関しては恵まれている大阪工場の例ですが、労働環境の向上のため、数年前に工場に空調を設置しました。我々のような規模の工場では、まだ珍しいことであると思います。我々のような規模、もしくは業界は、政府の進める働き方改革すべてをすぐに実施するのは難しいですが、できる範囲で労働環境の改善を進めていくべきだと考えています。それがこの先、求職者から選んでもらうための魅力になるはずです。

ただ、大阪のような大都市圏であっても、すでに技術、設計職や営業職の採用には苦労しています。技術、設計職には当然、理系出身者がほしいのですが、どうしても知名度のある大企業に集中してしまうのです。営業職は、弊社に限らず最近の若者の傾向として選ばれにくいようです。

そこで、弊社では、技術、設計職の人材の確保のために、キャリアアップ制度を導入することにしました。現在、弊社で働いてもらっている理系の大卒社員に大学院に入ってもらい、技術について学んでもらって、博士号を取って帰ってきてもらうというものです。当然必要な研究費や生活基盤などに必要な費用は会社で支出します。何年かかるかはわかりませんし、成功するとも限りませんが、将来を見据えて挑戦したいという考えです。

また、大阪工場では退職自衛官採用制度を活用させていただいています。毎年数千人規模の自衛官が退職しているそうで、50代の方もいれば、任期制自衛官として数年で退職した若者もいます。特に若い彼らを第二新卒として採用することができます。現在、この制度で5人の元自衛官を採用しました。技能があって、礼儀正しく、根性のある者ばかりで、即戦力として働いてもらっています。こうした国の制度を積極的に利用することも、事業を途絶えさせないための1つの手ではないでしょうか。

日本人の良さを取り戻すことが、悲壮感を払拭する鍵に

私が子どもの頃は、日本はもっと元気だった気がします。ところが、数年前から、閉塞感やおかしな権利意識が混在した暗くて面倒くさい空気が漂っていて、コロナ禍でさらに濃くなったように思います。

また、良くないタイプの欧米化も進み、日本人の良さがなくなっているように感じます。義理人情と言うと青臭いですが、人の優しさだったり、杓子(しゃくし)定規ではない「ほどほどに」という精神だったり、日本らしさが薄れてしまっています。また、コンプライアンスを過度に気にして、自由に話しにくい雰囲気もあります。人と話すときに、構えてしまいますよね。人間関係って、昔はもっとフランクなものだったのではないでしょうか。いい意味で、あいまいでゆるさのある日本に戻ってほしいと願っています。

その上で、地方の中小・小規模事業者にも目を向けていくべきだと思います。商店街を見ても、シャッターを下ろしている店舗が多いですよね。淘汰(とうた)されたというとそれまでですが、そんな簡単に片付けていい問題ではありません。一筋縄ではいかない問題ですが、考え続けたいと思います。

会社概要

法人名:大阪ラセン管工業株式会社
代表者名:小泉 星児
企業ホームページ:https://www.ork.co.jp
所在地:大阪市西淀川区姫里3-12-33
事業内容:金属製フレキシブルチューブ、ベローズ式伸縮継手の設計・製造及び販売

For JAPANプロジェクトとは

For JAPANプロジェクトとは、10年後20年後の日本の未来の担い手である20代にむけて、日本の未来を創る”本質的な気づき”を。をテーマに様々なコンテンツを通し情報発信を行っています。 参画された【50人の社長】というレンズを通して、経験に基づく本質的な考え方や情報を学び、動き出すきっかけを与え”日本の未来を創るプロジェクト”全国放送『For JAPAN ‐日本の未来がココに‐』(BS11)や、YouTubeチャンネル『For JAPAN ‐日本の未来がココに‐』など様々なコンテンツで社長たちが徹底討論。

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