株式会社マル善は、肥育牛事業を中心に展開し、「石原牛」という独自ブランドの確立にも取り組んでいます。牛の命と真摯に向き合いながら、より良い肉を届けることを使命とする同社。今回は、代表取締役の石原善和氏に、事業への想いや強み、ForJAPAN出演の背景やその後の変化、そして今後の展望について伺いました。
牛の命を全うさせる――事業に込めた想い
――現在の事業内容と理念について教えてください。
事業としては肥育牛を中心に行っています。牛の命を大切にし、その命が最終的においしいお肉として人に食べていただけるようにすることが、牛に与えられた使命だと考えています。その使命をしっかり全うできるように、最後まで責任を持って育て、出荷する。正直で誠実な牛づくりを行うことが、私たちの根底にある考え方です。
――御社の強みについて教えてください。
特別な強みがあるという意識は正直あまりありません。ただ、一般的には良い牛を仕入れて良い肉をつくるのが当たり前とされていますが、当社では平均よりも下の素牛を導入しながら、最終的に最高級の肉へと育てていく点が特徴です。この工程における工夫や積み重ねが、結果として価値につながっているのではないかと感じています。
ブランド確立と発信への挑戦
――ForJAPAN出演のきっかけを教えてください。
きっかけは、ForJAPANからの連絡が会社に届いたことです。出演を決めた背景には、「石原牛」という個人銘柄を立ち上げて5年ほど経ち、これを全国に広めたいという思いがありました。自分たちの取り組みをより多くの方に知っていただく良い機会だと考え、出演を決めました。
――出演時の印象的なエピソードはありますか。
非常に緊張しました。前半はとにかく緊張していて、他の方に話を振ってもらえればと思っていたほどです。ただ、スタッフの皆さんがとても親切で、緊張を和らげてくださったのが印象に残っています。安心して収録に臨むことができ、感謝しています。
――出演を通して感じたことはありますか。
他に出演されている経営者の方々を見て、自分との違いを強く感じました。規模や積極性、取り組みの姿勢など、学ぶべき点が多くありました。自分ももっと成長しなければならないと感じる良い機会でした。
出演がもたらした変化と広がり
――出演後の反響について教えてください。
周囲から「見たよ」と声をかけていただくことが増えました。特に知人や関係者からの反応が大きく、少し恥ずかしさもありましたが、多くの方に見ていただけたことはありがたいことです。一方で、ネット販売への直接的な影響は大きくはありませんでしたが、確実に認知は広がったと感じています。
――社内にはどのような影響がありましたか。
社員にとっても、自分たちの取り組みが全国に発信されたことは良い刺激になったと思います。会社として良い方向に進んでいるという実感につながり、前向きな反応が多くありました。
――ご自身の意識の変化はありましたか。
もともと人前に出ることや話すことが苦手でしたが、出演を経験したことで少し抵抗がなくなりました。この年齢になって新しい成長を感じられたのは大きな収穫です。
――その後の展開について教えてください。
出演後は他のメディアからの声がかかることもありました。以前出させていただいた本も、出版社の方から良い報告を受けております。
日々の積み重ねと経営判断の軸
――現在の課題と取り組みについて教えてください。
生き物を扱う仕事ですので、課題は常にあります。同じ状況が続くことはなく、日々異なる問題に向き合っています。その一つひとつに対応し続けることが仕事の本質だと考えています。
――経営判断の軸は何でしょうか。
これまで約40年積み重ねてきた経験が判断の軸になっています。相場の変動なども含め、これまでに何度も似た状況を経験してきました。それらを思い出しながら、どういう方向に進むべきかを見極めていく。それが自分の役割だと考えています。
――社会に対する役割についてはどのようにお考えですか。
大きなテーマである地方創生などについては、自分には少し大きすぎると感じています。ただ、やるべきことは明確で、牛造りを通じて命を大切にし、その価値をしっかり届けること。それが結果として社会への貢献につながるのではないかと思っています。
日本の文化を守るという信念
――今後注力していきたい取り組みについて教えてください。
現在は「石原牛」の輸出に力を入れています。国内だけでなく海外にも価値を届けていくことで、ブランドとしての可能性を広げていきたいと考えています。
――次世代の経営者へのメッセージをお願いします。
この業界が30年後どうなっているかは正直わかりません。ただ、黒毛和牛は日本の文化だという強い思いがあります。その価値を忘れずに、信念を持って取り組んでほしいと思います。単なる商品ではなく、日本の文化を担っているという意識を持つことが大切ではないでしょうか。
発信の時代に求められる姿勢
――ForJAPANという番組についてどう感じましたか。
これまでテレビ中心の時代を見てきましたが、今はこうしたメディアが主流になっていくのだと感じました。これからの日本を引っ張っていく存在になってほしいと思いますし、何よりも事実を正しく伝える番組であってほしいと願っています。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
出演を迷っている経営者の方には、ぜひ一歩踏み出してほしいと思います。私自身、最初は非常に緊張しましたが、結果的に自分の成長につながりました。特に同世代の経営者の方には、勇気を持って挑戦してほしいです。また視聴者の方には、日本にはさまざまな取り組みをしている企業があることを知っていただきたいと思います。気になった企業があれば、ぜひ深く調べてみてください。それが新しい発見につながるはずです。