“日本の未来を創る本質的な気づきを”をテーマに発信しているFor JAPANプロジェクト。
代表インタビューを通して、テレビやYouTubeでは紹介し切れないお話を深掘りしていきます。
今回は、医療法人大河内会 おおこうち内科クリニックの大河内 昌弘理事長にインタビューしました。
「挫折から学んだ、働く喜びを実現する感動経営」
仕事とはコストパフォーマンスだけでは判断できないもの
近年の日本では「一生懸命になることは非効率的で魅力的ではない」といった風潮が強くなっており、それにともなって働き方が変化しワークライフバランスが重視され、仕事よりプライベートを充実させたほうがいいといった世の中になっていると感じます。
世の中の多くのことが、金銭的な価値だけで判断されているのではないでしょうか。コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスといった言葉が頻繁に使われており、今の日本はお金や効率以外の価値に対して、評価がされない風潮になっているように思います。それ自体は否定しませんが、真面目に働くことをネガティブなこととは思わないで欲しいのです。
売上で評価される会社は、圧倒的に多いと思います。売上が何億、成長率が何%、会社がどれだけ大きくなったのか、こうした指標は経営者にとって幸せかもしれません。しかし、従業員(スタッフ)の幸せは別のところにあると思います。
人は自分を大切にしてくれる人を大切にする
人は自分のことに一番関心があります。自分が一番幸せになりたいと思っていて、自分のことを幸せにしてくれる人を好きになります。スタッフを大切にして、そのスタッフが大切にしている人たちのことも一緒に巻き込んで大切にしてあげる。例えば、子どもやパートナー、家族、両親といった人たちを喜ばせてあげる。そうした場作りが大切ではないでしょうか。
私が経営するクリニックには、多くの女性スタッフがいます。医療現場は女性が多い職場なので、女性が喜んでくれることを行っています。例えば、美容院手当。女性は髪をカットしたり整えたりすると、テンションが上がって喜んでもらえる方が多いので毎月支給しています。男性はマッサージの方が人気なので、そちらの手当にしています。また、大型スーパーのコストコの年会費も1人ひとりに支給しています。買い物は楽しいですよね。コストコの会員証があれば、家族や友達と一緒に買い物を楽しんでもらえます。スタッフの皆さんに喜んでもらえることが、仕事へのモチベーションや喜びにつながると思っています。
挫折から学んだ人を褒めること
今でこそ、喜んでもらえるような職場ですが、こうなるまでには大きな挫折を経験しました。クリニックを開業して2〜3年目は、怒号が飛び交う修羅場でした。スタッフが毎月のように辞めていき、閉院寸前までになりました。
当時、多くの患者様が来院してくださったのですが、受け入れの限界を超えていました。患者様を長時間お待たせしたり、検査ミスや申し送りのミスなどスタッフのミスが頻発しました。そんなとき、私がスタッフの1人を皆の前でコテンパンに怒鳴りつけてしまったのです。それからというもの、怒られるのを恐れたスタッフはミスを隠すなどしたため、お互いが疑心暗鬼になってしまいました。言いたいことが言えない職場になり、スタッフ間の信頼関係が崩壊していたのです。
人を叱るときは、個別に呼んで叱らなくてはなりません。私はたくさんの人の面前で叱りつけるという、リーダーとして、やってはならないことをしてしまったのです。
クリニックが潰れかけたのは、挫折というべき経験でしたが、私は180度方針を変えました。怒鳴ることをやめて、スタッフの優れた点に目を向けるようにしました。例えば、作業をゆっくりしたスタッフには「慎重に丁寧に仕事をしてくれてありがとう」と伝えるようにしました。スタッフをたくさん褒めてあげるようにしたのです。
事業は経営者だけでは成り立ちません。スタッフを大切にし、喜んで協力してもらえないと、どんなに良い事業でもうまくいきません。患者様も交えた信頼関係があって初めて、クリニックの運営が成り立つことを学んだのです。
人を大切にする感動経営
「心理的安全性」という言葉があります。言いたいことを言えるような環境作りが大切です。誰かの顔色を見て、話すような環境では物事はうまく進みません。新しい事業を始めるときも、まずは内部のスタッフの信頼関係の構築が大切ではないでしょうか。修羅場だった当時と比べると、現在の患者様の数も4倍以上になりましたが、スタッフは楽しく仕事をしてくれています。お互いの信頼関係ができているので、連携プレーがしっかりできています。万が一ミスがあっても、お互いにカバーできる関係を作ることができました。
経営には「利益追求拡大路線の経営」と「人間愛経営」があります。私は「人間愛経営」は大感動経営でもあると言っています。多くの経営者はお金を優先し、儲けや事業の拡大に価値を置いているため、厳しい競争に晒されているスタッフは疲弊していきます。私が目指している大感動経営は、こうした利益追求型の経営とは対極にあると考えています。スタッフは自分が認められ、愛されていることがわかるので、当初やる気がないスタッフもどんどんやる気が出てきます。放っておいても、周囲を大感動させる仕事をしてくれるようになっていきます。
日本には、仕事の楽しみを味わっていない若者の人たちも多いと思います。けれども、楽しそうに働き、輝いている大人が周りにいると、そうした人も絶対働いてみようと思うようになると思うんです。若者の皆さんも、是非そうした仕事を楽しめる経験をして欲しいと思います。
会社概要
法人名:医療法人大河内会 おおこうち内科クリニック
代表者名:大河内 昌弘
企業ホームページ:https://www.okochi-cl.com/
所在地:愛知県稲沢市祖父江町桜方上切6-7
事業内容:糖尿病・内分泌・消化器内科
For JAPANプロジェクトとは
For JAPANプロジェクトとは、10年後20年後の日本の未来の担い手である20代にむけて、日本の未来を創る”本質的な気づき”を。をテーマに様々なコンテンツを通し情報発信を行っています。 参画された【50人の社長】というレンズを通して、経験に基づく本質的な考え方や情報を学び、動き出すきっかけを与え”日本の未来を創るプロジェクト”全国放送『For JAPAN ‐日本の未来がココに‐』(BS11)や、YouTubeチャンネル『For JAPAN ‐日本の未来がココに‐』など様々なコンテンツで社長たちが徹底討論。
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