For Japan -日本を経営せよ-

インタビュー

昌弘貿易株式会社

林 裕民氏

人の10倍挑戦する覚悟で、世界と向き合う──昌弘貿易がForJAPANで語った現場の思想

人の10倍挑戦する覚悟で、世界と向き合う──昌弘貿易がForJAPANで語った現場の思想

卸売業と製造業を両軸に、世界規模で事業を展開する昌弘貿易株式会社。ForJAPANへの出演を通じて、林裕民代表は、事業の現場で培ってきた視点や、日本社会が向き合うべき課題について率直に語りました。本記事では、同社の企業理念や強み、「ジュエリーの民主化」を見据えた市場戦略、番組出演を通じて感じた手応え、そして日本をより良くするために果たしたい役割について伺いました。

卸売と製造を軸に、世界規模で捉える事業のかたち

――現在の事業内容について教えてください。

当社は貿易商社として、自動車・半導体関連の工業製品を中心に、卸売業と製造業を幅広く手がけています。特定の分野に限定せず、状況に応じて柔軟に対応できる体制が特徴です。

物事の判断基準は、常にグローバルです。わずか1兆円規模の日本市場に固執するのではなく、インドや欧州を含む世界60兆円規模の市場ポテンシャルを「時速300km」のスピードでハックしていく。例えば、日本国内で新製品の反応をうかがってから海外へ出るのではなく、最初から欧米やアジアの成長市場へダイレクトに勝負を仕掛けるといった具合です。対象となる人口も事業の規模感も、最初から世界全体を前提としています。これには日頃から世界のマーケットを常に研究し理解することが必要不可欠ですが、この視点を持つことで、目先の数字にとらわれず、中長期的な選択肢と打ち手の幅が自然と広がっていくと感じています。

「人の10倍挑戦する」という企業理念の根底

――企業理念について教えてください。

「人のチャレンジの10倍のチャレンジをする」ことです。言葉だけが先行しないよう、あえて「10倍」という明確な基準を掲げ、数字や行動で示せるかを常に重視してきました。

この理念は、社会に対する公平性というビジョンにも直結しています。特に私たちが使命として掲げる「ジュエリーの民主化」には、並々ならぬ想いがあります。これまでの宝飾業界は、旧態依然とした業者都合の価格設定が横行していました。例えば、原価に対して不当に高いマージンを上乗せしたり、一部の富裕層向けに敷居を高く設定しすぎたりして、消費者を無視し、ジュエリーを「限られた人のための贅沢品」にしてしまっていたのです。

私たちはその常識を覆します。消費者に真に寄り添った適正なプライス設定を実現することで、誰もが本物をアパレル感覚で身につけ、心からジュエリーを楽しめる社会を創る. それこそが私たちの使命です。人が挑戦する以上に自分たちが挑戦し続ける姿勢こそが、当社のすべての意思決定と行動の判断基準なのです。

中国を「右手」に、インドを「左手」に扱う強み

――御社の強みを一言で表すと何でしょうか。

「中国というクセのある広大な生産力のある国を、まるで自分の右手のように自由に扱ってきたこと」です。30年にわたり湖北省にある自社ボール工場と関わり続け、現地の変化を肌感覚で理解し、手足のように使いこなしてきた自負があります。

一方で、中国を取り巻く環境の変化も見据えています。次の世代に向け、これからは「ポテンシャルと成長しかないインド市場」を左手のように扱える存在を目指します。例えば、圧倒的なスピードと製造実績を持つ中国のサプライチェーンで強固な基盤を維持しつつ、これからの爆発的な消費拡大と新たな製造拠点としてはインドを開拓していく。世界の工場である中国と、巨大な市場であるインド。この両方を縦横無尽に使いこなす体制を構築することで、大手企業にも負けない圧倒的な戦闘力を持つ。それが今の当社の最大の強みです。

ForJAPANで感じた、視点が交差する場の価値

――ForJAPANに出演して印象に残ったことを教えてください。

今回の議題であった「外国人問題」に対し、現場や実体験に基づいた本質的な議論ができたことです。例えば、労働力不足を単なる数字合わせで解決しようとするのではなく、現場で実際に起きている摩擦や共生のあり方について、日本にいるだけでは見えにくい視点を持つ方々と非常に刺激的な意見交換ができました。個人の単なる意見に留まらず、幅広い知識と経験を踏まえた深い議論ができ、改めて自社の立ち位置や視点を整理する貴重な機会となりました。

挑戦と議論を通じて、日本を前に進めるために

――日本をより良くするために、御社が果たしたい役割は何でしょうか。

社会貢献性の高い課題に対して、貿易会社として「日本にまだないものを提供する」という視点で挑み続けることです。単に商品を売るだけでなく、それを見た人が共鳴し、考えるきっかけとなるような「問いかけ」を大切にしています。

ForJAPANのように、多様な視点が交差して具体的な解決策を議論できる場は重要です。自らの知見を活かし、常に己の成功に過信せず挑戦を語れる人が増えることが日本を前に進める力になる。当社もその一端を力強く担っていきたいと考えています。

出演回:シーズン3 第34回(2025年12月12日)

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